渡部先生の真摯な人柄がよく表れた赤裸々な本です。
40年前に発表した「知的生活の方法」のアンサー編とでもいうべき内容です。
「知的生活の方法」は、ライフスタイルとしての知的生活を確立するための心構え、具体的方法についてのマニュアル本です。
ベストセラーにしてロングセラーで120万部くらい売れています。
もう何十回読んだことでしょう。
随分と刺激と影響を受けました。
渡部先生は、今、86歳です。
「知的生活の方法」を自ら実践され、著作数は800冊を超え、総売数は3000万部を超えています。
私は、そのうち400冊くらいは読み、手元に残しているのは100冊くらいです。
蔵書スペースがなく、やむなく、今もそうですが、買っては処分するスタイルです。
先生の蔵書は15万冊で、77歳の時、2億円の借金をして、蔵書を収納する書斎を作りました。
個人ライブラリーとしては、世界でも有数の蔵書内容のようです。
この本は、老い・健康・蓄財・修養法・宗教・家族・幸福について経験を踏まえて書かれています。
ウソやハッタリが一切ない、ある意味、赤裸々で露骨な本です。
老齢期の体の衰えは避けることができず筋肉、食の細りも詳しく書かれています。
肉体的な衰えをここまで正直に克明に、あからさまに書かれている本は珍しいと思います。
驚くべきは頭脳と記憶力で先生は、ラテン語、古代ギリシャ語などを今でも辞書で単語の暗記に務められ、記憶力は以前より数段と
上がっており、以前は諳んじることができなかった長文の詩歌もスラスラと出てくると言われます。
家庭にあっては、孫に囲まれ孫の成長を見まもり、家族との団欒に幸せと安らぎを見出しています。
なかでも奥様からは、「我が家には本権はあっても人権はない」と不満を言われていましたが、それも晩年に大きな家を建てて
解消したとのことです。
左翼との戦いも凄まじく、授業妨害を2年に渡って受けた経験を書かれています。
左翼のやり口は、ヤクザよりもえげつないことがよくわかります。
先生は76歳のときに「95歳へ」という本を書かれました。
その本の通りの実践で、今、88歳です。
95歳まで、ご活躍されることを祈ります。
先生が、社会に向かって発言を始めてのは1975年に書かれた「腐敗の時代」からです。
これは私にとっては衝撃的な本でした。
当時は、いま以上に現実離れした空虚な空理空論の左翼チックな時評、評論が花盛りな時代で、ウンザリしていました。
そこに伝統・保守の正当性を順々と説いた先生の主張は、わが意を得たりと大いに共感・納得できるものでした。
渡部先生は、歴史の造詣が深く天皇生前退位の有識者会議のメンバーに選ばれています。
英語学者の枠を超えた知識、見識で選ばれたのでしょう。
私が先生の主張に納得できないのは戦前の日本の軍事国家体制の評価と、死後の世界観です。
渡部先生は、国家大計を論じる立場だから仕方ありませんが、戦前の日本の立場、行動を弁護します。
海外膨張主義、植民地主義も、白人欧米列強の横暴に対峙するものだったと正当性を主張します。
武田邦彦先生も同じような主張です。
そうでしょうか。
立場の違いですが凡百の大衆の一人である私は納得できません。
鳥瞰的に眺めるか、小田実の言うところの「虫の目」、いわゆる虫瞰的に世の中を眺めるのかという視点の違いだと考えます。
自由主義・民主主義の立場に立つ石橋湛山、河合栄次郎から見ると日本の海外進出は、間違いです。
私は、石橋湛山、河合栄次郎の主張に賛同します。
大東亜戦争時にソ連が満州に侵攻してきました。
その時、満州国民である満州人・中国人、あるいは当時、日本国民であった朝鮮人は、満州を守るどころか、逃亡する日本人を襲撃しました。
日頃の侵略者である日本人に対する恨み、怒り、憎しみがいかに深く強かったかをよく証明しています。
日本へたどり着くまでに20万人の日本人が死にました。
八紘一宇、五族協和は、内実のない空虚なスローガンでしかなかったのです。
満州、朝鮮、他のアジアに建てられた神社・鳥居は侵略のシンボルとして破壊されました。
死後の世界については、カトリック教徒の渡部先生ですからオカルト、宗教に向き合って考察されています。
死後世界の存在を「ある」と考えると現世をよりよく生きられると言い、得だとしています。
根拠としているのは、パスカルの「賭けの理論」です。
2012年の「魂は存在するのか」という本を書かれ、その中で詳しく書かれています。
科学で証明できないコトを取りあえずの理屈で決着させています。
全く理解も納得もできません。
なんだか安易です。
証明できないものは、そのままにして短兵急な結論を急がずに解明を未来に託せばいい、と私は考えます。
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実践・快老生活 知的で幸福な生活へのレポート (PHP新書) 新書 – 2016/10/14
渡部 昇一
(著)
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『知的生活の方法』から40年。85歳を越えた著者が、歳を重ねて到達した人生の幸福の核心と、知的で快い生き方の真髄を語り尽くす。
- 本の長さ253ページ
- 言語日本語
- 出版社PHP研究所
- 発売日2016/10/14
- 寸法10.7 x 1.3 x 17.3 cm
- ISBN-104569831532
- ISBN-13978-4569831534
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出版社より

商品の説明
出版社からのコメント
第1章 「歳をとる」とはどういうことか
歳をとってみないとわからないことがある
「下流」を杞憂するより自らの足元を固めよ
散歩好きだった私が存分に歩けなくなった
第2章 凡人にとって本当の幸福は「家族」である
長姉が教えてくれた人生のいちばんの幸福
業績と家庭とは何ら矛盾しない
第3章 「お金」の賢い殖やし方、使い方
喜寿で背負った二億円の借金
定年後の気分を左右するのは収入の有無
特待生になれなければ退学
第4章 健康のために大切なこと
自分を呪っては絶対にいけない
不治の病なら無理に治さないという選択肢
「虚弱体質」とされていた子供のころ
第5章 不滅の「修養」を身につけるために
老後こそ「機械的な仕事」を心がけよ
漫然とやってはいけない
わが書斎の「原風景」
第6章 次なる世界を覗く―宗教・オカルトについて
「未知なる世界」は存在するか
「神は隠れている」
パスカルの賭けの理論
第7章 「幸せな日々」のためにやるべきこと
冷暖房で日々の幸福度は劇的に上がる
「床暖房」は老人の幸せの最たるもの
井戸を掘ったらいい水が出るところに住む
あとがき
歳をとってみないとわからないことがある
「下流」を杞憂するより自らの足元を固めよ
散歩好きだった私が存分に歩けなくなった
第2章 凡人にとって本当の幸福は「家族」である
長姉が教えてくれた人生のいちばんの幸福
業績と家庭とは何ら矛盾しない
第3章 「お金」の賢い殖やし方、使い方
喜寿で背負った二億円の借金
定年後の気分を左右するのは収入の有無
特待生になれなければ退学
第4章 健康のために大切なこと
自分を呪っては絶対にいけない
不治の病なら無理に治さないという選択肢
「虚弱体質」とされていた子供のころ
第5章 不滅の「修養」を身につけるために
老後こそ「機械的な仕事」を心がけよ
漫然とやってはいけない
わが書斎の「原風景」
第6章 次なる世界を覗く―宗教・オカルトについて
「未知なる世界」は存在するか
「神は隠れている」
パスカルの賭けの理論
第7章 「幸せな日々」のためにやるべきこと
冷暖房で日々の幸福度は劇的に上がる
「床暖房」は老人の幸せの最たるもの
井戸を掘ったらいい水が出るところに住む
あとがき
著者について
上智大学名誉教授
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2020年5月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
『自分が老人になったあとの生活というものは、自分がそれまでなしてきたことの到達点』
著者は晩年の自身の生活を幸せだと本の最初から最後まで語っています。実に羨ましい限り。
著者のいう幸せは自分が今置かれている状況とはほど遠いなぁと思う記述もありましたが、これだけ「自分は幸せだ」と言いながら最期を迎えられたら最高です。
そのためには、何歳からでも『何らかの興味のあることを常日頃から勉強し、蓄積を重ねる』こと。
勉強、家族、人間関係、お金、そして健康(特に健康法の考え方は面白い!)について、歳を取ったらこうなるんだを予習にうってつけの本です。
著者は晩年の自身の生活を幸せだと本の最初から最後まで語っています。実に羨ましい限り。
著者のいう幸せは自分が今置かれている状況とはほど遠いなぁと思う記述もありましたが、これだけ「自分は幸せだ」と言いながら最期を迎えられたら最高です。
そのためには、何歳からでも『何らかの興味のあることを常日頃から勉強し、蓄積を重ねる』こと。
勉強、家族、人間関係、お金、そして健康(特に健康法の考え方は面白い!)について、歳を取ったらこうなるんだを予習にうってつけの本です。
2017年2月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
いちばん現実的で
役に立つアドバイスだと思ったのは
「定年後の気分を左右しているのは、
収入の有無であろう。ささやかであっても、
定年後に収入がある人は随分と違う。
気分が慎ましくなりすぎないで済む」
「退職後に活躍できる人は、何らか自分の
興味のあることを常日頃から勉強し、
蓄積を重ねてきた人が多い。
少なくとも、現役時代から
そういう意識を持っているかどうかで、
道は大きく変わってくるだろう。
間違っても“悠々自適”などという言葉に、
必要以上に踊らされないことである」
悠々働き続ける老後を目ざそう。
役に立つアドバイスだと思ったのは
「定年後の気分を左右しているのは、
収入の有無であろう。ささやかであっても、
定年後に収入がある人は随分と違う。
気分が慎ましくなりすぎないで済む」
「退職後に活躍できる人は、何らか自分の
興味のあることを常日頃から勉強し、
蓄積を重ねてきた人が多い。
少なくとも、現役時代から
そういう意識を持っているかどうかで、
道は大きく変わってくるだろう。
間違っても“悠々自適”などという言葉に、
必要以上に踊らされないことである」
悠々働き続ける老後を目ざそう。
2020年11月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本書は知的巨人と称された著者が87歳で亡くなる1年前、2016年に出版されている。著者によれば、本書は40年前に書いた「知的生活の方法」を実践した結果レポートだとか。実は、当方著者より10歳年下、知の巨人のファンを自認しますが40年前と言えば企業戦士の真っ只中、知的生活に関わるハウツー本など時間に余裕ある文化人や企業管理者の間で話題になりベストセラーだったのも知ってましたが実戦に役立たぬとスルーしそれ読んでません。本書を読む気になったのは著者の40年前の言説の帰結を知りたかったわけでなく、単純に知的巨人の老後の生活に興味を持ったから。
読んで、同じじゃん、って知的凡人は妙に安心した次第。ご子息が父の思い出を書いた本「明朗であれ」を先に読み、赤福を一気食いする知の巨人など面白エピソードをいろいろ知ってたこともあり、意外性はそれほどありませんでしたが・・。
“何の目的意識もなく漫然と雑多のものを読むだけでは結局うたかたのように消えてしまって自分の中で積み重なっていくものは何もない”、“まず書き始めることが大切、書くことで問題が見えてくえる。”、など物書きとしての知の巨人の言葉は凡人の身に沁みます。
“宗教として信じるなら私はどちらかと言えば簡単に天国に行けるものを信仰したい”は、カトリック信者でありながららしさ全開、誰憚るところない読者が共感できる著者の人格が滲み出る言葉でありましょう。
あとがきに40年前の自著を引き合いに“私は、偽善者的なことや、ハッタリやイイフリコキのいふようなことは主張していなかった。”と記す著者の言葉通りの書と読みました。
ご同輩の皆さん、床暖房は老人の幸せの最たるものと知の巨人は言ってます!!
読んで、同じじゃん、って知的凡人は妙に安心した次第。ご子息が父の思い出を書いた本「明朗であれ」を先に読み、赤福を一気食いする知の巨人など面白エピソードをいろいろ知ってたこともあり、意外性はそれほどありませんでしたが・・。
“何の目的意識もなく漫然と雑多のものを読むだけでは結局うたかたのように消えてしまって自分の中で積み重なっていくものは何もない”、“まず書き始めることが大切、書くことで問題が見えてくえる。”、など物書きとしての知の巨人の言葉は凡人の身に沁みます。
“宗教として信じるなら私はどちらかと言えば簡単に天国に行けるものを信仰したい”は、カトリック信者でありながららしさ全開、誰憚るところない読者が共感できる著者の人格が滲み出る言葉でありましょう。
あとがきに40年前の自著を引き合いに“私は、偽善者的なことや、ハッタリやイイフリコキのいふようなことは主張していなかった。”と記す著者の言葉通りの書と読みました。
ご同輩の皆さん、床暖房は老人の幸せの最たるものと知の巨人は言ってます!!
2020年7月20日に日本でレビュー済み
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保守の論客として、活躍されていた筆者がご家族と共に穏やかな日々を過ごされていたことを知りました。身近な人々を大切にしつつ、信念に従って多くのお仕事をされてきたことに感服いたしました。
2017年2月19日に日本でレビュー済み
50歳を少し手前にして「老いる」とはどんなことなのかを知りたくて手にしたが、ファッション誌のコラム程度の底の浅い考察が「俺はこう思う→(数々の引用)→だから俺は正しい」というスタイルで延々続く。所謂「伝統的家族観」の押し売り、日本以外のアジア諸国に対し滲む蔑視等々も含め、この老人には自分のご立派な書斎の半径5mぐらいしか世の中が見えていないのではないか。本書は「知的生活の方法」から40年のアンサーブックだそうだが、これが知的生活の末の果実だとすれば、憐憫の情さえ覚える。こんな年寄りにはなりたくない、という意味では大変参考になった。
2017年3月30日に日本でレビュー済み
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すべてよいが 特に家族に関する文章、含蓄あり。
家庭をもち、学者生活と両立を図り 成功した著者の
言葉は重みがある。
家庭をもち、学者生活と両立を図り 成功した著者の
言葉は重みがある。
2019年6月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
読書や勉強を通じて磨かれた人生観が本書から伝わってくる内容
である、年齢に関係なく自分を磨き自分を高めることが大切、そ
のためには修養であり人間学であると言う言葉が心に残った。
である、年齢に関係なく自分を磨き自分を高めることが大切、そ
のためには修養であり人間学であると言う言葉が心に残った。