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見聞読考録

2014-10-28

kenbun2014-10-28

同居人のおイタ

最上階の4階にある一室を、標本作成や観察などの作業部屋として利用している。屋上に降り注ぐ太陽光の影響をもろに受けるせいで夏はとても蒸し暑く使い物にならなかったが、冬を間近に控えた今は非常に快適な空間になった。真冬にどうなるかは知らない。


だが、そんな空間を快適と感じるのは僕だけではないらしい。最近、どこからともなく来客が現れるようになった。ヨツモンカメムシ。寂しい独房の可愛らしい訪問客である。


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一人ただ黙々と、飼育実験を繰り返し、標本を作成し、データベースを構築する昨今。彼らの存在は癒し以外の何者でもなかった。いつしか彼らは、訪問客から同居人となり、日々その数を増やし、気がつけば彼らの存在が部屋の中での僕の行動を制限するまでになっていた。ふとした拍子に踏みつけてしまえば、モウレツなカメムシ臭に部屋の換気を余儀なくされる。うっかり椅子の背もたれに身体を預ければ服に染み入る体液に一日悩まされることになる。それだけならまだしも、実験の動画を撮影している最中にそこに写り込んでくるのには流石に閉口した。


そんなある日、いつものように標本の山に埋もれて作業をしていると、ブーンという羽音を立てて向かってくるものがある。あっ、と思って口を開けたのが良くなかった。そろそろ鬱陶しくなってきていた僕の同居人は、一直線に、なんの迷いもなく僕の口の中に収まった。


うわぁぁあああ


あぺっぺっ


わぺっぺっ


おえぇぇえええ


その日それからの数時間を、カメムシ退治に費やしたことは言うまでもない。

我が城に同居人はいらぬ。我はこれからも孤独に生きてゆくのだ。


見聞読考録 2014/10/27