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見聞読考録

2017-04-18

人間万事塞翁が馬

人間万事塞翁が馬(じんかんばんじさいようがうま,淮南子(えなんじ))。


本当にその通り。


K さん,ありがとうございます。


見聞読考録 2017/04/18

2017-02-06

脳筋カタツムリ?!

殻を振るカタツムリの話が日刊工業新聞というメディアに紹介された。

Yahoo! ニュースにも再び。


発掘!イグ・ノーベル賞(9)北海道大学−殻で敵を殴るカタツムリ(動画あり)


決して引きこもらず、敵に殻を投げつけるカタツムリ


でも文章中に「北海道大学の森井悠太学術研究員は北海道とロシアで“脳筋タイプ”のカタツムリを発見した」とある。

気に入らない。


脳筋とは:脳みそまで筋肉でできているの略で、体は鍛え上げられたマッチョな体型をしているが、頭は悪そうな人を嘲う言葉である。体力はあるが頭は悪そうな人のこと。筋肉バカ。


参考:日本語俗語辞書


ということなので,まるでカタツムリを不当に侮辱しているように聞こえる。

というか,侮辱そのものでしょ。。いいの?これ?


取り上げてもらえたのは嬉しいんだけど,これはちょっとなぁ。。


Yhaoo! ニュースも,ただその日刊工業新聞を転用するだけならまだしも,わざわざタイトルを加えて,「敵に殻を投げつけるカタツムリ」なんて書いちゃってる。


いや,投げつけないよ!

振り回すんだよ!


投げつけちゃだめでしょ。

カタツムリ死んじゃうでしょ。


伝言ゲームの恐ろしさを知る今日この頃。

結局,受け取る側が気をつけるほかどうしようもないのかも。


見聞読考録,2017/02/06

2016-08-22

色つきのお金,腐るお金

お金には色がない。

だから,資本主義は難があるのではないか。


もし色のついたお金があったらどうだろう。

白いお金,黒いお金,赤いお金,青いお金。


例えば今日みたいにお店でパスタを食べても,あなたのお金は黒いので受け取れません,なんて言われる世の中になったら,みんな一生懸命,白いお金を生み出そうとするのではないか。「徳」が求められる世の中になるのではないか。


あるいは,腐るお金があったらどうだろう。


定期的に紙幣の価値が下がっていき,例えば1年後には1万円札の価値は0円になる。そんなお金があったら,みんなこぞってお金を使うようになるし,必要以上に荒稼ぎするようなことも,それによって地球の資源や環境を根こそぎ破壊してしまうことも,なくなるのではないか。


そんなことをカフェのオーナーさんと話し合う,文化的な正午。

炎天下の暑い正午。


それにしても,奈良は素晴らしい。

これが,歴史のチカラか。


見聞読考録 2016/08/22

2016-01-04

kenbun2016-01-04

明けまして2016年

2016年は,正月から長野県北東部の根子岳(2,207m)へ。


菅平高原・奥ダボススキー場のリフト降車口から標高差約 600m/片道約 3.5km の行程を,スキー板を担いで登った。山スキーやスノーシューのようなものがあれば良かったのだが,あいにく持ち合わせがない。アルペンスキーを担ぎ重いブーツを履いて雪に足を取られながら,登った。


澄んだ青空の広がる絶好の登山日和だった。全国的な雪不足の煽りを受けてバックカントリースキーに絶好とは言い難く,ボブスレーのコースのように狭く長い下りには正直辟易したけれども,それでも山頂からの爽快な眺めを拝められただけで満足。おまけに,クモガタガガンボにも出会えたし。新年最初のフィールドとしては上出来と言えよう。


研究にわくわくしていた昨年の気持ちを忘れず,近くまた遠く先を見据えて,いつでも今を大切に生きていこう。地道にしぶとく生きていこう。そう思えた清々しい正月だった。


不束者ですが,皆さま今年もよろしくお願いいたします。


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見聞読考録 2016/01/04

2015-03-08

多様性とは何か

今年度,研究費を助成してくれていたとある財団から,簡単な文章の執筆を依頼された.それを書き上げたあとの残りカスをここに貼っておく.


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Ph. D とは、Doctor of Philosophe の略であり、博士号の称号を指す。すなわち「哲学博士」と訳して差し支えないだろう。この言葉は、科学を志す者がいずれ必ず何らかの哲学的な問いに辿り着くことから名付けられたのだと思う。

私はこれまで、様々な野生生物と関わってきた。幼少期にはあらゆる昆虫を採り漁り、趣味として植物をたしなみ、現在はカタツムリを主な対象として研究を行っている。多種多様な野生生物を目の当たりにしてきた私が、生物多様性の諸事に興味を持ったのは、今思えば必然だったのかもしれない。そんな私が最初に辿り着いた哲学的な問いは、多様性とは何か、というものだった。何か、と問うている時点で、科学の問いではない。いわば、多様性の本質を知りたかったのである。

多様性とは可能性のことだ。これが、私の得た答えの一つである。多様性が高い、すなわち均質ではないものがよりたくさん寄り集まっていればいるほど、新しいものが生じやすいということである。これは私たちの社会にもよくあてはまる。革新的な発想は、自由で多様な人々から生まれやすい。それ故、多様性を高め、維持することは概して有益なことであると私は考えている。しかし現実問題として、これをなすことは非常に困難なことである。決して、自分の意見を他者に押し付けてはいけない。他者の意見を敬う寛容さがなくてもいけない。少数派を擁護する仕組みがなければ維持され得ないのだ。

多様性とは、いったいどのようにして生み出され、保持されるものなのだろうか。私は、多様な生物を通して、この普遍的な問いにこれからも挑戦し続けたいと思っている。

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案外時間を食ってしまった.

ああ,学会の準備をしなくては.


見聞読考録 2015/03/08

2015-03-04

アパルトヘイトと差異の承認の政治 ー 亀井伸孝氏による論説

昨今,世間(全世界)を騒がせている,曽野綾子氏による人種差別発言が繰り広げられたのは,2015年2月11日の産経新聞の朝刊でのことだった.


「もう20〜30年も前に南アフリカ共和国の実情を知って以来、私は、居住区だけは、白人、アジア人、黒人というふうに分けて住む方がいい、と思うようになった。」

「爾来、私は言っている。「人間は事業も研究も運動も何もかも一緒にやれる。しかし居住だけは別にした方がいい」」

  • 曽野綾子,2015/02/11(産経新聞)

どう読んでも好意的に捉えようがないほど,偏見に満ちた悪質な発言である.弁解の余地などかけらも見当たらない.曽野綾子氏が他に何をなした人かは知らないが,この記事一つで,これぞレイシスト,と呼んで差し支えない最低の人物であると僕は判断した.さらに,これをすんなり掲載してしまう産経新聞の酷さも目に余る.編集者のレベルの低さが透けて見えるようだ.


そんな時代錯誤のレイシスト,曽野綾子氏は,なんでも "第2次安倍内閣における教育提言を行う私的諮問機関(教育再生実行会議 - Wikipedia)" である教育再生実行会議のメンバーであるそうだ.すなわち,安倍晋三氏のアドバイザーと言える.こんなとんでもない愚者が,首相と深く関わっているのだから,嘆かわしいを通り越して呆れるほかない.それも一重に,安倍晋三氏が首相として全くふさわしくない人物だからこういうことになるのだろうが.


曽野綾子、海外メディアからの人種差別コラム批判に「安倍首相のアドバイザーだったことはない」と逃亡するも再び炎上 - BUZZAP,2015/02/17


一方で,そんな呆れ果てるような発言に対する,亀井伸孝氏の論説が素晴らしかった.論理的で,無駄なく,美しい.ただ怒りに任せて書きなぐる,僕の文章とはわけが違う.研究者として社会にも大きく貢献している.亀井伸孝氏が他に何をなした人かは知らないが,この記事一つで,これぞ研究者と呼んで差し支えない人物と思った.


「文化が違うから分ければよい」のか―アパルトヘイトと差異の承認の政治 - 亀井伸孝(文化人類学,アフリカ地域研究),2015/02/25(SYNODOS)


多少小難しい部分もあるかもしれないが,この情報は信用に足る.そういう,文章の書かれ方をしている.


できる限り多くの人に読まれるべきと思ったので,ご紹介.微力ながら.


見聞読考録 2015/03/04

2015-02-05

研究手法の発達とその弊害

ここしばらく,高価な試薬やキットを使う実験をさせていただいているのだが,ラボの学生さんが結構頻繁に失態をやらかす.


つい数日前は修士の学生が,一つ十数万円もする試薬パッケージを種類を間違えて解凍してしまっていた(一度解凍すると,使うしかない.もう一度冷凍することはできない).


さっきも学部の学生が,一つ数万円する要冷蔵のキットを冷凍してしまっていたことが発覚したばかり.それも6つもまとめて.カチンコチンに凍り付いた,凍り付いてはいけない精密機械を見て,背筋が寒くなった.


見ていてドキドキする.心臓に悪い.


実験にミスはつきものだし,仕方がない部分もあるだろう.同じ失敗を何度も繰り返すようではいけないが,そうでないならば,ある程度は許容されるべきだと思う.たとえそれがボンミスであっても.失敗を重ねて,反省をして,人は成長していくものだ.それも,学部や修士の学生のような若人ならば,なおさらだ.


しかし,近年の研究手法の高度化・高額化に伴い,たった一つのミスが,非常に手痛いダメージを伴うようになってきてしまった.僕が学生時代に行っていた研究でさえ,一つ一つの行程に数万円はかかろう試薬を用いていたが,今ほどではない.この流れは,ますます加速されているように見えるし,これからも進行するだろう.研究に関して言えば,ますます失敗が許容されにくい時代になると見て良いだろう.いや,研究の世界だけの話ではないかもしれない.


失敗が許容されないということは,逆にいえば,成長の機会が少ないということになる.これは,由々しき事態だと思う.失敗をするくらいなら,何もしない方が良い,という発想に至る人も多いはずだ.


決して,そうさせないようにしなくてはならない.

少なくとも,教育機関でもある大学としてはその点に注意を払うべきろう.「結局のところ何もしないのが一番.ことなかれ,ことなかれ」なんて考えの人間ばかりが育つ世の中では,お先真っ暗だと思う.


見聞読考録 2015/02/05

2014-10-12

帰国/外から眺めた日本列島

金曜夜にロシアより無事帰国。

ちょっと見ぬ間にここ札幌もすっかり肌寒くなった。

ウラジオストクと気候がほとんど変わらないので、特に驚きはしなかったけれども。


今日は天気が良かった。これぞ秋晴れと言うべき爽やかな一日。

昨日も一昨日も天気が良く、おかげですっかり惰眠をむさぼってしまった。


しかしここ数日の好天とは裏腹に、ウラジオストクから見ると、日本というのはとんでもない天災の国であった。

僕が異国から眺めた日本は、こうだ。


【9/9 出国】


【9/11 東日本に大雨】

特に北海道では、初の大雨特別警報が出されるほどの記録的な大雨となった。札幌市南区の計4万7000世帯・約9万人に避難勧告が出されている。この世の終わりのような空模様、とは僕の友達の体験談。当時の避難勧告域在住。

Neverまとめ:北海道で初・大雨特別警報

http://matome.naver.jp/odai/2141038715132708001


【9/27 御岳山噴火】

御岳山(標高 3,067m)が噴火。10月12日現在、死者数は56人を数え、戦後最悪の火山災害に。動画を見せたロシア人研究者がビビっていた。

Video: Japan volcano shoots rock & ash on Mount Ontake - BBC News

https://www.youtube.com/watch?v=aQtkoLxqUNQ

長野県 Web Site

http://www.pref.nagano.lg.jp/bosai/kurashi/shobo/saigai/260927ontake.html


【9/29-10/06 台風18号】

日本近郊を通過する台風の典型的な進路で日本をほぼ縦断。沖縄県大東島地方、鹿児島県奄美地方を通過し、6日朝に静岡県浜松市に上陸。その後東京23区を直撃し、関東地方を横断して茨城県から再び太平洋へ抜けた。ちなみに10月12日現在、19号が沖縄を直撃中。昨年フィリピンを直撃し、世界を騒然とさせた超大型台風、ハイエンを彷彿をさせる規模。なんだか最近、この規模のが当たり前に到来している気がする。

平成26年台風第18号 - Wikipedia

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B9%B3%E6%88%9026%E5%B9%B4%E5%8F%B0%E9%A2%A8%E7%AC%AC18%E5%8F%B7


【10/9 帰国】


対する極東ロシアはこの一ヶ月間、ほぼ毎日快晴。ちょっとでも雨が降ったのは3日間くらいか。風も強くないし、さして寒くもない。火山も地震もない。実に穏やかな、(自然環境的には)非常に住みやすいところであった。そんなところにもし台風みたいなのが来ようものならそれこそ、この世の終わりと、こぞってロシア正教の教会に人がなだれ込むだろう。


世界的に見れば、日本ほど自然災害の多い土地もそうそうないように思う。火山や地震は起こる場所が限られているし、台風やハリケーンも同様だ。急峻な山々が聳え、広大な大洋が広がるとなれば、土砂災害や津波とも無縁ではいられない。


と同時に、その圧倒的な自然の脅威は、ときに我々に恩恵をもたらしてくれる。温泉や日本特有の伝統文化などがそれだ。それらは他にはない日本の特色として、文化や産業にも深く根付いている。どうせ起こってしまう上に止めようがないものなのだから、それとうまく付き合う方法を考える他ない。これまでそうしてきたように。そしてあわよくば、その圧倒的な自然から何か得るものがあればこれ幸いと災害にさえ心から感謝をして、先人たちはこの厳しい土地で生き抜いてきたのだろう。


一方で、気候が穏やかで、どこまでもなだらかな極東ロシアの土地は、ヒトにとって住みやすいとはいえ少し単調に過ぎる気がした。狭い土地に様々な環境が混在する日本の方が、観ていてワクワクする。かなりの頻度でカタストロフィックな災害に襲われる日本の方が、スリリングで楽しい。そういう見方もできるかもしれない。


見聞読考録 2014/10/12

2014-06-20

ろうそくの光に明るい未来を思い描く夜

北大キャンドルナイトなる素敵イベントに出くわした。


せせらぎの音を聞きながら、静かに演奏されるクラシックギターの音色に耳を傾けるという、大学構内とは思えないロマンチックなイベント。「アナと雪の女王」の主題曲が流れたときは、大きな拍手が起こっていたなぁ。


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何が素晴らしい、ってコンセプトが素晴らしい。


「ろうそくだけでもこんなに暖かい、こんなに優しい光を生み出せる。日々消費しているエネルギーのことを考えてみよう。無駄に消費している膨大なエネルギーのことを考えてみよう」

ということらしい。


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とても心動かされる活動ではないか。カップルばっかりだったので早々に逃げ出してきたが、そんなことより、実に心温まる素晴らしいイベントと思った。A氏率いる現日本政府の腐敗具合や環境政策に関する驚異的な腰の重さとは裏腹に、環境問題に対する危機感は、一般市民の間に広まりつつあるのかもしれない。そう願いたい。


「まじぱねぇ」とは、すれ違ったカップルのコメント(女性の方)。北大、まじぱねぇっす。


見聞読考録 2014/06/19

2014-02-03

STAP細胞ー外部刺激による体細胞の初期化ー小保方博士の大発見

歴史的な発見となるだろう、衝撃的な研究成果が発表されたのは、つい数日前のこと。カチコチに固まったジョウシキをくつがえすようなこういう研究は本当に偉大だ。ジョウシキってなんだ?それを疑ってこその研究者であるはずだ。そういう意味でも、最高にかっこいい発見だと思う。


世界中で絶賛され、あちこちで大々的に報道され、残念ながらというかやっぱりというか各メディアによるいつも通りの非常に程度の低い人権の侵害もなされ、一躍時の人となった小保方博士が無闇に貶められ、それに対する批判も噴出している今となっては、もう今更何を書くこともないのだが、それでも何かを書かずにはいられない。それほどの興奮をもたらす驚きがこの発見にはある。


体細胞の分化状態の記憶を消去し初期化する原理を発見 - 理化学研究所


Stimulus-triggered fate conversion of somatic cells into pluripotency - Nature


「間違い」と言われ夜通し泣き、デート中も研究忘れず…常識破りの新型万能細胞を開発した小保方晴子さん - 産経ニュース


「ストレスで細胞が初期化」の衝撃 - むしブロ


報道関係者の皆様へのお願い - 理研細胞リプログラミングユニット


ピンクの割烹着騒動に見る基礎科学研究における多様性の意義 - かめふじハカセの本草学研究室


このニュースを見て、何か目が覚めるような衝撃を受けた人も多いはずだ。自分も「人生に貢献したい」とある身近な人は言っていた。


見聞読考録 2014/02/03